最新記事 by J-REC公認不動産コンサルタント 大友哲哉 (全て見る)
- 連帯保証人の都合で融資NGはローン特約の対象外で手付金は返還されないのか? - 2024年11月13日
- 非公開の優良物件でもM&A案件なら素人は手を出さない - 2024年10月29日
- 立憲民主党の住宅政策からアパート経営の風向きは変わるのか? - 2024年10月28日
空室が続くと不安になります。
- これ以上に空室が増えたら借金を返すのに給料や貯金を使うことになる。
- 固定資産税の◯回目の支払いが再来月だ。
- 売却するにも満室にならない物件だと安く買い叩かれる。
改善することができずに空室がこのまま拡大していくと、最悪は破産です。もちろん、そんなことになりたくはありません。そこで、一般的には次のような対策を取ります。
一般的な空室対策の方法
- 管理会社に相談する。
- ネットやYouTubeで調べる。
- 大家さん仲間に相談する。
しかし、そこから得られる答えは・・・
管理会社のアドバイスの例
- もう少し家賃を下げましょう!(え?家賃収入が減るし売却価格も下がるじゃないか!)
- もっとリフォームにお金を掛けましょう!(え?お金がないのにもっとお金を使えってこと?)
- ペット可にするのはどうですか?(え?部屋がぐちゃぐちゃにされたらどうするの?)
ネットやYouTubeで調べたケース
- たくさん情報があって混乱する
- 自分の空室に合う対策なのかわからない
- 時間ばかり過ぎて何も改善していない
大家さん仲間に相談した場合
- いろいろな意見があって混乱する
- 自分の物件のエリアや特性に合う対策なのか判断できない
- 時間ばかり過ぎて何も改善していない
空室をなんとかしないといけないのに、多くの大家さんがこうした行動を取ってしまいます。
あなたも同じではありませんか?
結局、相談したり調べたり考えたりしただけ。空室はそのままに時間だけが過ぎてしまいました。
タイパの悪い原因2つ
このタイパ(タイムパフォーマンス)の悪さは改善したいものです。
1つ目の原因は、管理会社が味方であると思い違いをしていること。
いちばんの味方は管理会社だと思っていませんか?
確かに、管理会社は空室があると、その部屋の管理委託手数料が入りません。しかし、そうはいっても5%程度のものです。5万円の家賃ならたったの2,500円です。10万円の家賃でも5,000円です。
この売上のために、管理会社はどれだけのことができるのでしょうか?
それよりも、リフォームの提案をしたほうが儲かります。家賃を下げてくれたら楽に仲介できて仲介手数料や広告費等を稼げます。
つまり、あなたのお金を掛けさせずに満室にするために何かするメリット(インセンティブ)がないのです。
大家さん仲間も同じです。親切心はお持ちでしょう。しかし、あなたに対する責任はありませんし、上級者ほど自己責任の意識が高いため自分でどうにかしてきた人たちです(そうでない人は退場しています)。ですので、懇切丁寧にあなたの空室をどうにかしてあげよう・・・とはなりません。
2つ目も原因は、実物資産の2つの特性を考慮していないこと。
不動産は実物資産。金融資産と異なり「実物」があります。
ですので、まずはその「実物」を見ることです。特に、物件が遠隔地の場合は、管理会社から優先度を下げられがちです。要するに「大家さんは遠くに住んでいるから物件を見に来たり会社に来訪してきたりはしない」と思われて、業務を後回しにされやすいのです。
そして「金」のような実物資産と異なり不動産は「唯一無二」の資産です。
そのため、諸条件が異なります。ある程度の一般論やパターンはあるものの、誰かの空室対策があなたの物件を満室にできるとは限りません。
2つの原因を取り除いた空室対策の取り組み方2選
こうした背景から、空室対策の取り組み方を2つ紹介します。
1つ目は、入居募集のインセンティブを強化することです。例えば、広告費を割増にしたりギフト券をプレゼントしたりというのが常套手段です。成功報酬とすることで、あなたが一方的に損をすることはありません。
2つ目は、あなたはもちろん、相談相手も現地を確認してもらった上で、解決策を検討してもらうことです。最低でも、現地や現地周辺の写真は相当数(目安100枚・または動画)用意して見てもらうことです。
こうすることで、あなたは物件の状況に合った個別性の高い解決策を手に入れられます。また、相談相手や空室対策を実行してくれる相手の真剣度も上がります。
今週末にやるべきワン・アクション
私の経験上、空室相談をされる方は現地を見ていません。確かに、お金に余裕がないのに遠隔地の物件に新幹線や飛行機の交通費を負担して・・・そこまでいかなくても丸1日掛けて往復するような時間の余裕はないのかもしれません。
それでも、これまでの月◯万円の家賃×空室月数が、そして今後の家賃も二度と手に入らないことを想像してください。だったら、1日・・・いえ半日でいいので時間を作って現地に行きましょう。自ずとやるべきことが見えてくるものです。ちなみに管理会社にナイショで行くと(抜き打ちチェック?)効果的です。笑。