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「来年こそは参加してみたいけど、どんな雰囲気なんだろう?」
「交通費や時間をかけて参加する価値は本当にあるのかな?」
毎年夏に開催されるJ-REC(日本不動産コミュニティー)の一大イベント、「全国事例研究会」。その存在は知っていても、一歩踏み出せずにいる方もいらっしゃるかもしれません。
こんにちは。J-REC理事で、今年の全国事例研究会の司会進行を務めさせていただきました大友哲哉です。
結論から申し上げます。もしあなたが、本気で不動産経営と向き合い、信頼できる仲間と繋がり、自身の知識と未来をアップデートしたいと少しでも願うなら、このイベントに参加しないという選択肢はありません。
この記事は、そんなあなたのためのものです。
2025年7月5日、古都・京都で開催された「第13回 J-REC 全国事例研究会」がどれほど濃密で、価値ある一日だったか。司会進行役の視点から、その舞台裏の熱気を余すところなくお伝えします。
読み終える頃には、来年の夏、青森でお会いしたくなっているはずです。
古都・京都に全国の大家が集結!年に一度の「知の祭典」が開幕
なぜJ-RECは全国から仲間が集まるのか?開催の意義と目的

私たちの全国事例研究会は、単なるセミナーではありません。それは、北は北海道から南は沖縄まで、全国各地でJ-RECの理念を共有し、日々実践を続ける仲間たちが一堂に会する、年に一度の「知の祭典」です。
J-RECが大切にしているのは、一方的に知識を受け取るだけの学習ではありません。会員一人ひとりが現場で試行錯誤し、汗を流して得た生きた知識、つまり「実践知」を持ち寄り、共有し、互いに高め合うピア・ツー・ピア(仲間同士)の学びです。登壇者が共有するのは、この一年で最も価値のあった成功事例や失敗から得た教訓。それを一日でインストールできるのですから、これほど贅沢な学びの場はありません。
そして、毎年開催地を変えるのにも理由があります。不動産投資は、その土地の文化や歴史、地域性と決して切り離せないからです。今年は京都。歴史が息づくこの街の空気に触れること自体が、私たちの知見を深め、多角的な視点を養うためのカリキュラムの一部なのです。
開会の挨拶と会場を包む熱気

会場となった「みやこめっせ」。由緒あるこの場所に、開場前から多くの参加者が集まり、会場は期待と熱気に満ちていました。久しぶりの再会を喜ぶ声、初めての参加で少し緊張した面持ちの方、そしてそれらを温かく迎える運営スタッフ。この時点で、すでにJ-RECというコミュニティの温かさが溢れていました。
スクリーンに「第13回 J-REC 全国事例研究会 in 京都」の文字が映し出され、浦田健代表理事による開会の挨拶が始まると、会場の空気は一気に引き締まります。
「今日、皆さんに伝えたいこと」――浦田代表の言葉には、これからの不動産市場を生き抜くための羅針盤が示されていました。その力強いメッセージを受け、参加者全員の「学ぶぞ!」という意志が一つになった瞬間を、私は司会席からひしひしと感じていました。
トップレベルの大家から学ぶ!全国6ブロック代表による珠玉の事例発表

この研究会の核となるのが、全国6ブロックの予選を勝ち抜いた代表者による事例発表です。今年のテーマも、現代の不動産経営が直面する課題の核心を突く、示唆に富んだものばかりでした。
時代を読み解く6つのテーマダイジェスト(前半:東北・北海道、関東、中部・東海ブロック)
古川 広毅 氏(東北・北海道ブロック)『 築古物件の入居率V字回復を実現した「里守」のコミュニティ戦略 』
空室率40%、年間240万円以上の赤字だった物件をどう再生したのか。古川さんの答えは「里守(さともり)」という哲学でした。収益を生むはずの1室を潰して共用スペースを創設するという常識破りの一手。しかし、それがコミュニティという無形の価値を生み、満室経営へと繋がったのです。これはもはやリフォームではなく、経営思想の革命でした。
アユカワ タカヲ 氏(関東ブロック)『 変貌する不動産融資戦線~トランプ関税と金融混乱の時代をどう生き抜くか?~ 』
不動産経営は、国内の事情だけ見ていては成り立たない時代です。世界の金融情勢が、自分の物件の金利にどう直結するのか。エンタメプロデューサーでもあるアユカワさんが、複雑なマクロ経済の動きを、私たち大家が取るべき具体的なアクションにまで落とし込んで解説。未来のリスクに備えるための必須知識を得ることができました。
仲尾 正人 氏(中部・東海ブロック)『 【約10人に1人が相続対象家計に!】知識がない家庭に“未来の損失”が忍び寄る 』
相続は税金の問題だけではありません。経営ノウハウが引き継がれなければ、優良物件も一瞬で負の資産(負動産)になりかねない。「チーム作り」を掲げる仲尾さんが、資産だけでなく「経営」そのものを次世代へどう繋ぐか、その実践的な処方箋を示してくれました。これは全大家必見のテーマです。
実践に直結するノウハウの宝庫(後半:近畿、中国・四国、九州・沖縄ブロック)
大野 勲 氏(近畿ブロック)『 火災保険の値上げと大家が備えるべき“未来の特約” 』
火災保険を単なる「コスト」と捉えていませんか?業界の重鎮である大野さんは、それを「戦略的なリスク管理」の領域へと引き上げました。保険料の値上げという現実に対し、未来のリスクを予測し、資産を守る「未来の特約」とは何か。機関投資家レベルの視点は、私たちの保険に対する考え方を根底から覆すものでした。
池田 隆司 氏(中国・四国ブロック)『 「指値ウェルカム」手数料改定が変えた800万円以下物件の価格交渉最前線 』
法改正という変化は、ピンチにもなればチャンスにもなります。「800万円以下の物件」というニッチな市場に焦点を当て、手数料改定によって生まれた新たな交渉の力学を、5つの実例を基に徹底解説。明日からすぐに使える超具体的な交渉術は、多くの参加者が前のめりでメモを取っていたのが印象的でした。
新地 俊一 氏(九州・沖縄ブロック)『 サラリーマンでもできた!地方で始める不動産投資…売却戦略 』
「サラリーマンが3年半で6棟127室」。この驚異的な実績の裏には、緻密な「売却戦略」がありました。物件を買う段階で、すでに出口(売却)まで見据えている。一つ一つの物件取得を、より大きな資産拡大サイクルの一部として捉えるその思考法は、規模の大小に関わらず全ての投資家が学ぶべきポートフォリオマネジメントの神髄でした。
司会進行役の視点から見た「学びの場」の舞台裏
発表者と受講生が創り出す一体感と真剣な眼差し

司会という役割をいただくと、会場全体を俯瞰して見ることができます。そこから見えたのは、本当に素晴らしい光景でした。
登壇者が情熱を込めて語るスクリーンと、食い入るように見つめる受講生の皆さん。誰一人として、スマートフォンをいじったり、退屈そうな顔をしたりしている人はいません。皆、貴重な知識を一言一句聞き漏らすまいと、ペンを走らせ、深く頷き、時には驚きの声を漏らす。この真剣な眼差しの集積が、会場全体に心地よい緊張感と一体感を生み出していました。
発表者もまた、この受講生の熱気に応えるように、さらに熱を帯びて語りかけます。この発表者と受講生が創り出す「学びの相乗効果」こそ、オンラインセミナーでは決して味わえない、この場の最大の価値だと私は確信しています。
私が司会として参加者の皆様に伝えたかったこと

私が司会としてこの場に立たせていただく上で、一つだけ心掛けていたことがあります。それは、単なる進行役ではなく、発表者と受講生の皆さんを繋ぐ「橋渡し役」になることです。
発表の合間には、ただ次の登壇者を紹介するだけでなく、今聞いた内容がいかに重要で、私たちの経営にどう活かせるのか、私自身の言葉で補足させていただきました。それは、この素晴らしい「実践知」のバトンが、確実に皆さんの血肉となることを願ってのことでした。
壇上から見える皆さんの真剣な顔、そして素晴らしい発表をしてくださった登壇者の誇らしげな顔。その両方を見ることができたのは、司会進行役として最高の喜びでした。この場を借りて、改めて感謝申し上げます。
学びは終わらない!「大親睦会」で生まれる一生モノの繋がり
情報交換と新たな出会いが加速するネットワーキングの価値
事例研究会の濃密なインプットが終わると、同じ会場で「大親睦会」がスタートします。正直に言って、J-RECの真価はこの親睦会にある、と言っても過言ではありません。
大家業は、孤独な戦いになりがちです。しかし、ここには同じ悩み、同じ目標を持つ仲間が全国から300名も集まっています。
「あの発表の件、もう少し詳しく教えてください!」
「うちのエリアだと、今こんなことで困っていて…」
あちこちで自然に情報交換の輪が生まれ、名刺交換が行われ、新たなビジネスパートナーシップが生まれる瞬間を、私は何度も目撃してきました。浦田代表理事をはじめ、財団の理事やスタッフも皆さんの輪の中に入り、分け隔てなく語り合います。この「誰とでも繋がれる」環境こそが、J-RECが大切にしてきたコミュニティの力なのです。
豪華景品が当たる抽選会と尽きない不動産談義

親睦会をさらに盛り上げるのが、恒例の大抽選会です。協賛企業様からご提供いただいた豪華な景品の数々に、会場のボルテージは最高潮に達します。
実は、何を隠そう私の著書『続・不動産投資の幸福論』も景品として提供させていただいたのですが、見事、ある女性の参加者に当たりました。記念に一枚写真を撮らせていただいたのですが、その時の「大友さん、これからじっくり読みますね!」という笑顔が、私にとっては何よりのプレゼントでした。
お酒を酌み交わしながら、セミナー中には聞けなかったような、より突っ込んだ話や「ここだけの話」に花が咲く。気づけばあっという間に閉会の時間です。学びと笑いと出会いに満ちたこの時間は、参加費以上の価値があると、誰もが実感したはずです。
知識と仲間をアップデートし続けるJ-RECの真価

京都大会を終えて。参加者が手に入れたものとは
丸一日をかけた「第13回 J-REC 全国事例研究会 in 京都」。
最後に撮影した集合写真には、やりきった満足感と、明日への活力に満ちた皆さんの最高の笑顔が写っていました。
参加者の皆さんがこの日手に入れたものは、6つの珠玉の事例発表から得た最新の「知識」だけではありません。それ以上に価値があるのは、同じ志を持つ「仲間」との強固な繋がりと、「自分ももっと頑張ろう」という熱い「モチベーション」ではないでしょうか。
変化の激しい時代において、一人で学び続けることには限界があります。しかし、J-RECには、年に一度、こうして知識と仲間をアップデートできる最高の環境があります。これこそが、私たちがJ-RECの活動を続ける理由であり、最大の強みなのです。
2026年、次なる舞台は青森へ!未来へのバトン
京都で生まれたこの熱気は、決してここで終わりません。
来年、私たちはこのバトンをさらに北へと繋ぎます。
2026年、次なる舞台は「青森」です。
まだこの熱気の輪の中に加わったことのない、そこのあなた。
来年こそ、ただの読者ではなく、参加者として、この集合写真の中に一緒に写りませんか?
最高の知識と、一生涯の仲間たちが、あなたを待っています。
2026年、夏、青森の地で、あなたとお会いできることを心から楽しみにしています。