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コロナショックで任意売却と競売が増えると予想されています。さらには不動産価格も下落するとかしないとか。どこまで本当なのでしょうか?
実際のところは未来のことなのでやはり「?」としか言えません。ですが、リーマンショックのときのことからコロナショックの次に備えるためのヒントにして欲しい情報をまとめます。
リーマンショックは「2008/09/15」
引き金となったサブプライムショックは2007年夏頃ですが、日本にとっては対岸の火事でしかありませんでした。その後、リーマンショック「2008/09/15」を迎えて、上場不動産会社等の倒産が続きます。
2008年
7月 ゼファー社 倒産
8月 アーバンコーポ社 倒産
10月 ダイナシティ社 倒産
10月 ニューシティ社 倒産
11月 モリモト社 倒産
12月 ダイア建設社 倒産
2009年
1月 クリード社 倒産
2月 日本綜合地所社 倒産
3月 パシフィック社 倒産
3月 司建物管理社 倒産
これらは一般には、融資凍結(新規や「つなぎ」融資の中止)による資金繰り不能による倒産と言われています。一般企業の倒産も同様でリーマンショック後の2008年10月に、融資凍結による即倒産の倒産件数が増えて一旦ピーク*を迎えます。
*通常月で倒産件数が約700件の倍以上
その後は落ち着くものの、翌年2009年3月に先のピークを超える倒産件数となります。おそらく3月決算を乗り越えられずに、倒産を選んだのだと思われます。
そして、2009年11月…リーマンショックから1年経過後に「穴吹工務店 倒産」2010年5月「プロパスト社 倒産」。一般企業では「2010年1月 JAL倒産」が記憶に残るところ。
コロナショックによる倒産のピークはいつ来るか
今回のコロナショックでは当初から政府の支援が厚いので、意外と資金繰り悪化による突然死(倒産)…とりわけ大企業の倒産は「そこまで増えない*のでは?」と予想できます。
*コロナ直撃の宿泊業・観光業・飲食業は別
ですが、消費マインドの低下は続き販売不振による不況型倒産がじわじわ続くように思います。
コロナショックによる競売と任意売却
競売物件については、リーマンショックから1年過ぎに件数がピーク*に達します。
*通常月で競売件数が約2,000件の3倍以上
任意売却は統計で拾うのが困難なため不明ですが、競売件数に比例していると思われます。
となると、コロナショックによる競売件数の増加も、緊急事態宣言の2020年4月の1年以上先として来年の夏頃がピークかなと予想できます。ですが、いわゆるコロナ融資だったり株式投資などで得たお金を持っている人が意外と多いもの。リーマンショック時は、融資凍結でお金を持っている人が極端に減ったので不動産価格は急落しましたが、コロナショックはそうもいかないように思われます。
価格が下がるのを待つより、価格交渉して手に入れるのが賢い買い方になるでしょうね。