積算評価

不動産投資ルーキー

積算評価の計算方法に業界統一ルールなんてありません

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宅建士/AFP/PMP®など。不動産オーナー向け教育事業、東京大家塾(2006年〜)や不動産実務検定®認定団体J-REC理事・東京第1支部長・認定講師(2008年〜)として累計3万件以上の不動産投資・活用・トラブル相談の経験から失敗しない不動産活用を体系化。Google★4.8/226件〜・Udemy講師★4.18/1,107名〜・ココナラ不動産相談★5.0/136件〜。著書/共著19冊・講演実績全国30団体〜・寄稿/取材協力多数。

会員さんの個別相談は、私も勉強になります(気づきが得られる)。

今回は「積算評価」について、シェアします。

結論は、積算評価の計算方法に、業界統一ルールも法律的な定義もなんにない、って話です。

正解は、銀行の計算方法による、なのです。

もちろん、最終的な計算方法なんて非公開ですし、恐らく定期的に微調整されていることでしょう。

更に、概算と詳細で計算式は異なると想像できます。

例えば、旗竿地(路地状敷地)の土地は×0.8だとか、位置指定道路は×0.7だとか、角地は×1.1だとか(数字は適当)そういう数値もあると想像できます。

つまり、内部的に、例えば、相続税の申告のときの土地評価方法のようなマニュアルがあるはずです。

参考)土地及び土地の上に存する権利の評価明細書
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hyoka/annai/1470-05.htm

ですので、融資担当者が電卓で叩いてその場で計算したときの積算評価(概算)と、実際に稟議を上げたときの積算評価(詳細)とでは評価額は異なります。

そうすると、担当者や支店長は大丈夫(だろう)といったのに、本部決済でNGだとか減額だとか、そういうこともあり得ます。

私は、みんな分かっているものだと思っていて、まったく疑問に感じていませんでした。

ちょっと、そうでもなかったみたいです。

こういう背景がありますから、例えば、物件の売主が業者だったり、コンサルタントだったりすると、

「この物件は積算評価が高い」

だとか

「売値<積算評価の物件を買え」

みたいな話がよくあります。

このとき、両者の「積算評価」の計算式は同じだとは限りません。銀行評価とイコールでもありません。

もちろん、まったくの見当外れではないので、いわゆる概算ということで語っています。

例えば、土地の評価1つとっても

  • 相続税路線価×土地面積
  • 相続税路線価×土地面積×0.8(いわゆる掛け目…将来の値下がりを考慮した評価.掛け目はいろいろ)
  • 相続税路線価÷0.8×土地面積(相続税路線価は公示価格…時価相当…の概ね8割のため)
  • 固定資産税路線価÷0.7×土地面積(固定資産税路線価は公示価格…時価相当…の概ね7割のため)
  • 固定資産税評価額そのまま
  • 固定資産税評価額÷0.7
  • その他

といったように、相続税路線価を使うのか固定資産税路線価を使うのか、固定資産税評価額を使うのか? と、いくつもの組み合わせのパターンがあります。

一般的には、相続税路線価を使いますが、固定資産税路線価のほうが数値の分かる範囲が広いです。

固定資産税評価額は、個人情報の1つとして公開されていません(評価証明書の取得は本人か本人の委任状が必要.例外あり)。

建物は建物でやっぱり…

  • 固定資産税評価額
  • 新築建物課税標準価格認定基準表(構造と種類による平米単価)×面積×経年減価補正率
  • 建築費×法定耐用年数で等分割
  • 独自の構造と種類による平米単価表から計算・経年も独自の調整率
  • その他

などと、こちらもこちらで、いくつもの組み合わせのパターンがあります。

結論は「銀行の計算式による」でしたね。

ですので、業者だとかコンサルタント(特に単なる営業コンサルタント)が、どんな計算式で積算評価をしているのか確かめる必要があるのです。

何度も繰り返しますが、銀行の評価方法は非公開です。

元銀行出身のコンサルタントで退職したばかりなら「そこの銀行に限って」は正確な計算式を覚えている可能性は高いかもしれません。

当然ですが、計算式は多少の変更はされていくものです。

とはいえ、もし、退職時に内部資料を持ち出しているとしたら、ちょっとヤバい人になりますよね(笑)。記憶で再現するには評価の項目は多すぎます。

一番いいのは、銀行に物件を持ち込んで試算してもらうことですね。

そして、その試算のレベル(超概算・概算・詳細)も確認することです。

まあ、何度もやっていると、銀行内部の計算式(概算)がだんだん分かってきますよね(笑)。

ではまた。

追伸

一般論として、どんな情報も鵜呑みにするのはどうかと思いますが、全否定することもありませんよね。

どんな情報や知識でも、正確性は0%か100%ではなくて、その間となります。

ニュースなども、その媒体などによって正確性は異なります。

テレビの映像だから100%事実かというとそんなことありませんよね。

紛争地帯ですと、テレビのインタビューで答えている人は、もしかしたらカメラの後ろから銃で脅されて答えているかもしれません。

仮に360度全方位を撮影していたとしても、遠くからライフルで狙っているぞと脅されて答えているかもしれません。

さすがに、私もいちいち、そんなこと考えていませんが、100%はないってことですよね。

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