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不動産投資って、結局のところ不動産管理会社が運営するから、そんなに勉強しなくても大丈夫そう? だったら不動産実務検定だとか有料相談だとか使わなくても、独学のほうが初期費用も抑えられて良いですよね。でも、ちょっと待ってくださいね。本当に独学で大丈夫でしょうか?
不動産投資の独学は知識が偏る
確かに、今はブログやYouTube、書籍で十分な情報が無料で手に入ります。しかし、それだけで本当に必要な知識が網羅できるでしょうか? 独学ですと、どうしても興味のある分野に知識が偏りがちになりますし、なぜ情報が無料なのか考えてみてほしいと思います。
1. 法務と税務に苦手意識があり疎かになる
不動産投資は経営の面が強いため総合力が求められます。特に、法務と税務は非常に重要です。しかし、これらの分野は専門用語が多く、複雑なため、苦手意識を持つ方が多いのも事実です。
法務:例えば、建築基準法は「建築物の最低基準を定めた法律」と思っていませんか?
間違いではありませんが本質(目的)は別にあります。
不動産の賃貸借契約や売買契約、物件の管理に関する法律など、不動産投資には様々な法律が関わってきます。これらの法律を理解していないと、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。例えば、賃料滞納や物件の瑕疵、近隣トラブルなどが発生した場合、適切な対応を取れなければ、大きな損失を被ることになりかねません。
税務:例えば、個人の税制(所得税)で収入と所得を明確に区別できていますか?
日常会話ではどちらも同じような意味になりますが税法上は全く異なります。
不動産投資には、所得税、固定資産税、不動産取得税・譲渡所得税など、様々な税金が課せられます。これらの税金を正しく理解し、適切な対策を講じなければ、思わぬほど大きな税負担を強いられることになります。また、税務に関する知識があれば、節税効果の高い投資戦略を立てることも可能です。
2. 無料の情報はセールストーク・ポジショントーク・ミスリードの影響がある
インターネット上には、不動産投資に関する無料の情報が溢れています。しかし、これらの情報の中には、特定の商品やサービスを売り込むためのセールストークや、特定の立場からの意見に偏ったポジショントーク、ワザと誤解を招くようなミスリードが含まれている可能性があります。
特に注意が必要なのは「絶対に儲かる」「リスクはない」といった謳い文句です。不動産投資には、空室リスク、金利変動リスク、災害リスクなど、様々なリスクが伴います。リスクを正しく認識せずに投資を行うと、大きな損失を被る可能性があります。
もちろん、有料情報だとしてもセールストーク・ポジショントーク・ミスリードの影響がゼロということはありません。それでも、表面的な情報の裏側が見えるだけの知識があれば、大失敗をすることは避けられるでしょう。
3. ただ単に取り締まられていないだけのノウハウもどきに注意
例えば、法務や税務において「少額だから」「小規模だから」といった理由で、法令違反や脱税行為を取り締まらないことや見逃されていることがあります。にも関わらず「画期的なノウハウ」と誇張している情報を目にすることがあります。当然「バレなければ大丈夫」という考えは非常に危険です。
少額・小規模から逸脱すると当局が見せしめに動きます。そうして法令違反や脱税行為が発覚した場合、罰金や追徴課税などのペナルティが科せられるだけでなく、社会的信用を失うことにもなりかねません。具体的には金融機関から債務一括返済を求められる可能性があります(契約書に記載があるはずです)。不動産投資は、長期的な視点で取り組むべき投資です。目先の利益にとらわれず、法令を遵守し、誠実な姿勢で投資を行うことが大切です。
特に、法務と税務に関しては、専門家の意見を聞いたり、信頼できる情報源から知識を得るなど、慎重な姿勢で情報収集を行いたいものですし、総合的に判断できる不動産コンサルタントに相談するのも1つです。
まとめ. 不動産投資の独学は知識が偏ること・セールストーク・ポジショントーク・ミスリードの悪影響が怖い
不動産投資は、大きな資産を扱う投資です。だからこそ、正しい知識を身につけることが大切です。独学での学習も可能ですが、専門家の意見を聞いたり、信頼できる情報源から知識を得ることも大切です。
この記事が、あなたの不動産投資への第一歩を踏み出すためのお役に立てれば幸いです。