相続対象の親の持ち家

相続(税)対策 VS 認知症対策

相続(税)対策というと「お金持ちの話で私には関係ない…」そう思うのも無理はありません。これは相続「税」対策の話です。

つまり「納税」の意味では関係ない人のほうが圧倒的なのです。相続税を納税する人は約8%だけなのですから。

では「私には関係ない」で良いのでしょうか? もし、あなたがひとりっ子なら、その通り。兄弟がいるなら問題があります。

例えば、ご両親と共に暮らしてきた、ご実家。60歳以上の持ち家率は約80%ですから、ほぼ持ち家ですよね。

そして、兄弟が2人以上の割合も約80%です。

つまり、ご実家を兄弟姉妹でどのように分けるのか? が切実な問題になります。

例えば、長男と次男の場合。

長男が年老いた親の面倒を見ながら同居していたとします。一方で、次男はどこかで暮らしているとします。

いざ相続となったときに、長男と次男は、法律上は同じ割合で相続する権利があります。つまり、仮に自宅の評価が1,000万円だとするなら、それぞれ500万円ずつ分け合う権利があるのです。

とはいっても、それは単なる評価額。1,000万円の現金なら仲良く「はんぶんこ」できます。しかし自宅は半分にできません。

さらに、ありがちなのは

長男「親の面倒をずっとみてきたんだからオレがこのまま住み続ける!」
長男「家もオレのものだ!」
次男「民法上は半分の相続権が認められている!住み続けるのはかまわないが500万円払え!」
次男「どうせ親の金を使い込んでいるんだろう!」

とケンカになることです。

傍から見ていると「大人げない」と思えますが、そんな私も幼いころは「ジュースやおやつの分け方」ですら兄弟ケンカをしていたものですから、その延長ですよね。とても他人を非難できません。笑。

また、ほかにも子どもの頃の不満…親からひいきされていた(事実かどうかはさておき)など、兄弟間のわだかまりのようなものも影響するでしょう。

もちろん「兄ちゃんばっかりパパとママを独り占めしていてズルいと思っていたんだ!」なんて例えば50歳にもなって言えませんよね。

それが相続の時に法律を盾にとって突っかかることになるのです。

ですので、相続は納税の問題とは別に、どのように分け合うのか? という分割対策が最重要となります。具体的には「遺言書」を用意してもらうことです。

遺産が100億円もあれば別ですが、数千万円くらいでしたら、先の兄弟も多少の不満があっても「親がそういうなら仕方ない」と納得するものです。

遺言書の形式もいくつかありますが、自宅とちょっとした預貯金程度であれば、最近、広まってきているエンディングノートで十分なくらいです。そんなに形式にこだわることもありません。

ただ、私的には、親の書いた文字が読み取れるかどうか、ちょっと心配ではあります。笑。

相続対策は、こういったところなのですが、近年、さらに重要な問題があります。それは認知症です。

ちなみに、認知症は脳の病気であり、加齢によるもの忘れとは異なります。もの忘れ程度なら日常生活にそこまで支障はありませんが、認知症は支障が出ます。

参考)もし、家族や自分が認知症になったら 知っておきたい認知症のキホン
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201308/1.html

こうなると、いわゆる「本人確認」ができないため、ちょっと大きな(?)契約は締結できません。

例えば、不動産の売買は登記するにあたり司法書士による本人確認があり、この手続きは無理でしょう。後で責任問題になるので、司法書士は厳しく判断します。

他にも、厳密な意味での遺言書の作成、金融機関からの借入、定期預金の解約などなど。後で「本人の意思ではない!」と言われてトラブルになりがちなので、対応しかねるのです。

となると、一般家庭でも、親を施設に入れるとなったときのお金の工面に苦労します。

ましてや、親がアパート経営でもいていると、大規模修繕の費用を借りることはもちろん、日常的な原状回復工事だとか、固定資産税の支払いだとか、相続税対策のための不動産の売買だとか、そういった契約行為がすべて出来なくなります。

厳密には、成年後見制度を使うことで対応できます。

詳細)成年後見制度・成年後見登記制度 Q&A
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji17.html

しかし、成年後見制度は「本人の意志がわからないので本人の財産は積極的に保護する」との意向が強すぎるのです。

例え、本人が快適に過ごせるように施設に入るお金を用意するために、本人名義の定期預金を解約することですら、ホイホイできないのです。本人が施設に入りたいかどうかはわからないから、なのでしょうか…

ですので、借金するだとか不動産を売却するだとか、もっと大変です。具体的には手間と時間が掛かります。また、本人の財産管理を担当する成年後見人(弁護士・司法書士などの法律の専門家が就くことが多い)の月額報酬が数万円も掛かります。

もちろん、そもそも成年後見制度が適用になるまで半年程度かかります。この間、契約行為はできないのです。

アパート経営をしていれば、この間に雨漏りすることもあるでしょうし、原状回復工事をして次の入居者を入れないと、生活費に困ることもあるでしょう。

そうなってから、認知症→成年後見制度の申し立て→契約行為などする時間もお金も、あなたの労力も、余裕はないことでしょう。

というようなことが社会問題になりつつあることから、家族信託のしくみが出来たのです。

もう10年以上前に完成されたしくみですが、まだまだ事例や実績や実務知識の共有が進んでいないように思います。

そこで今回は、東京大家塾で定例セミナーを開催します。毎年、取り上げているテーマですね。

初見の方には、ぜひ受講していただきたい入門編となります。

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