中古物件の雨漏りどうする?

事例紹介

中古住宅購入の落とし穴|雨漏り発生!売主は知らなくても責任を負う?瑕疵担保責任と契約不適合責任の基礎知識

The following two tabs change content below.
宅建士/AFP/PMP®など。不動産オーナー向け教育事業、東京大家塾(2006年〜)や不動産実務検定®認定団体J-REC理事・東京第1支部長・認定講師(2008年〜)として累計3万件以上の不動産投資・活用・トラブル相談の経験から失敗しない不動産活用を体系化。Google★4.8/226件〜・Udemy講師★4.18/1,107名〜・ココナラ不動産相談★5.0/136件〜。著書/共著19冊・講演実績全国30団体〜・寄稿/取材協力多数。

「中古住宅だから、多少の不具合は仕方ない…」そう思っていませんか?確かに、新築住宅と比べると、中古住宅は経年劣化による不具合が生じやすいのは事実です。しかし、たとえ売主が知らなかったとしても、重大な欠陥(瑕疵)があれば、売主は責任を負う可能性があるのです。今回は、中古住宅における瑕疵担保責任、特に雨漏りを例に、売主の責任範囲や買主が取るべき対策について解説します。

買い主が損をする!?中古住宅の瑕疵リスク

今回の事例では、築19年の木造中古住宅を購入後、台風による雨漏りが発生しました。買主は補修を求めましたが、売主は拒否。裁判の結果、売主は瑕疵を認められ、損害賠償を支払うことになりました。

瑕疵があっても「知らなかった」では済まされない

1.瑕疵担保責任と契約不適合責任

中古住宅の売買では、売主には「瑕疵担保責任」が課せられます。これは、物件に隠れた瑕疵(=契約内容に適合しない状態)があった場合、売主が責任を負うという原則です。民法改正により、瑕疵担保責任は「契約不適合責任」と名称が変わりましたが、基本的な考え方は変わりません。

2.売主の善意・悪意は問われない

売主が瑕疵を知らなかったとしても、責任を負う場合があります。ただし、契約書に「瑕疵担保責任を負わない」という特約がある場合は、その限りではありません。しかし、この特約は無制限に有効なわけではなく、一定の条件を満たす必要があります。

3.買主の自己防衛

中古住宅購入時には、専門家によるインスペクション(建物状況調査)を実施し、瑕疵の有無を事前に確認することが重要です。また、契約書の内容をしっかりと理解し、不明点があれば専門家に相談しましょう。

まとめ|中古住宅購入はリスク管理が重要

中古住宅は、新築住宅に比べて価格が安く、選択肢も豊富である一方、瑕疵のリスクが伴います。購入前に専門家によるインスペクション(建物状況調査)を実施したり、契約内容を精査したりするなど、事前のリスク管理が重要です。

「中古住宅だから仕方ない」と安易に考えず、しっかりと自己防衛を行い、安心して中古住宅を購入しましょう。

関連記事

  1. 節税にならない

    親族や友人への不動産貸付、節税になるどころか税務調査のリスクも!?

  2. 土地から新築企画の現地同行

    埼玉県某市.土地から新築企画の現地同行

  3. 擁壁物件

    神奈川県某市.擁壁物件で再建築不可!?

  4. 崖地で新築企画

    神奈川県某市.土地から新築(崖地)

  5. 再建築不可アパート

    東京都某区.再建築不可アパート

  6. 私道イメージ

    東京都某区.私道持ち分の売買価格はいくら?

  7. 擁壁物件

    どうする? 擁壁物件

  8. 迫る電線

    埼玉県某市.新築1階と3階が埋まらない!!

最近の記事

  1. 不動産実務検定

    不動産実務検定の勉強中
    不動産投資の成功に不動産実務検定が必要な4つの理…
  2. 不動産投資ルーキー

    資産性重視の不動産投資
    今すぐ将来に向けて不動産投資に取り組むべき5つの…
  3. 不動産投資ルーキー

    お金をドブに捨てる
    不動産投資でキャッシュ・フローを捨てるべき3つの…
  4. 不動産投資ルーキー

    購入申込書(買付証明書)を出しても買えない
    購入申込書(買付証明書)1番手なのに2番手に負け…
人気の記事 注目の記事

ARCHIVES