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今回は、従来の物件選び(投資基準)の例といいますか対立する項目を一通り紹介しますね。
属性別(自己資金・年収・勤務先など)
どの程度の金額を金融機関から資金調達できるのか? に影響します。これらは(金融機関から見たときの)個人属性と言われるものです。
主に、購入物件の金額に影響します。ですので、高級オフィス街にオフィスを構えてスタッフを大勢抱えている不動産会社は、1億円以上の物件を買えるような人しか相手にしない(金額などは参考)傾向になります。それはそうですよね。または、仲介手数料とは別に成功報酬でコンサルティング料のような別名目で請求してきます。ちなみに、成功報酬の金銭は実質的に仲介手数料として扱うと裁判凡例もありますので、ほぼ違法です。
資産性重視 VS CF(利回り)重視
こちらはトレードオフの関係になります。資産性とは、価格変動の小さい物件=都市(都心)部=低利回り(CF少)となりがちです。一方で、キャッシュフロー(CF)または高利回り物件とは、家賃の割に価格が安い物件=地方物件=価格が下がりやすい物件=資産性として劣る、となりがちです。
もちろん、特殊な事情で都心であっても高利回り物件が売りに出たり、地方でも一等地で安く売りに出たりということはあり得ます。しかし、そんな優良物件が初心者であるあなたに紹介されるのでしょうか? そうした物件は、ネットに情報が上がらず、いわゆる水面下でつながりのある不動産会社が買い取り、都心であれば高価格で低利回り物件として売りに出され、地方なら地方なりの価格で売りに出されるのです。
つまり、初心者はいわゆる相場より安く買おうなどど考えていると「初心者にわからないような問題を抱えた物件」をつかまされることになりかねないので注意しましょう。
金融機関の融資条件に合わせる
かなり現実路線です。ただし、一番最初のいわゆる高属性である(銀行が積極的に融資をしたい人)だから選べる選択肢ですね。
シングル VS ファミリー
シングル向け間取りの物件は、例えばワンルームや1K〜1LDKです。ファミリーは2DK以上の間取りです。
少し古い情報なのですが、シングルの平均居住年数は3年間、ファミリーは7年間という目安があります。
また、1年間の退去率は、シングルが30%(10戸のアパートなら1年で3部屋が退去になる)、ファミリーは20%という目安があります。
これらの目安の数値などから試算すると、同じ建物面積ならば、回転率に違いのある両者の実質家賃は大差ないと計算できることが多くあります(設定値による)。
今後の空室率の拡大や募集経費の拡大によっては、ひょっとすると逆転する可能性すらあります。
木造AP VS RC造一棟マンション
昔、有名大家さんの対談イベントで、けんか腰(?)になって議論している姿を見て笑いました(?)。
木造はどこでも切断できるので非常にフレキシブルで良い。RC造は穴を開けると構造上問題になるので出来ない。また、配管がコンクリートを貫通していることが多く更新工事(配管の入れ替え工事)が困難です。また、耐用年数が新築時で22年と短いので節税面で有利です。ただし、資金調達時に長期で融資してもらうことが難しくなります。
一方、RC造の最大の魅力は、耐用年数が47年と最も長いので長期間の資金調達がしやすことです。また、金融機関が建物自体の価値を評価してくれやすいので、これもまた資金調達しやすい要件になります。
区分マンション VS 一棟マンション
区分マンションは1戸あたりの価格が比較的少額のため買いやすく・売りやすいのが特徴です。また、毎月の管理費はもちろん、修繕積立金も経費計上できます(1棟マンションは原則不可)。共用部分の維持管理などはマンション本体の管理会社が担当します。オーナーのあなたは、入居者さんの家賃と室内の設備と契約管理だけ行うことになります。ただ、別々に10棟のマンションに1戸ずつ所有するとなると、各物件で毎年、管理組合の総会が開催されますので、そのあたりの事務作業等が煩雑になりがちです。また、物件が離れていると、リフォーム工事や募集業務で同じ会社に依頼することができず、いわゆるボリュームディスカウントができない(規模のメリットを享受できない)恐れがあります。
1棟マンションなら効率良く維持管理も募集業務もできますので、リフォーム業者や管理会社に対して、ボリュームディスカウントを期待したり、業務の優先度を上げてもらえたりする規模のメリットを期待できます。
戸建 VS 木造アパート
こちらは区分マンションと1棟マンションの木造バージョンです。
戸建はアパートに比べて小規模になので1棟あたりの価格が少額になり売買しやすくなります。また、賃貸中の取引価格より、自宅用に購入する人は住宅ローンを使って長期ローンを組むので、結果的に高く買ってくれやすいことを利用して、入居者が退去したら売却して差益の期待もできます。また、アパートと異なり、共用部分という概念がないので、大家さん側で清掃するような責任箇所はありません(室内の設備などは別)。
とは言え、屋根・外壁・外構などは1組につき1世帯となるので、大規模修繕の効率が悪いと言えます(もっとも借りる人は外観をあまりきにしないので必要最低限で良い)。
アパートは戸建を複数棟所有するより効率が良いと言えます。マンションと同じように、ボリュームディスカウント・規模のメリットを享受しやすいと言えます。
新築 VS 築浅 VS 築古 VS ボロ物件
新築・築浅のほうが最新の設備が導入されていたり、住宅の基本性能(断熱性や遮音性・デザイン性など)が高かったりする傾向が強くなります。古くなればなるほど、そうした古い設備の故障や陳腐化から交換に費用が掛かります。
しかし、新築〜築10年の家賃の下落率と、それ以降の下落率に大きな差があります。人間と同じように、0歳(新築)と1歳(築1年)の違いは大きなものですが、30歳(築30年)と31歳(築31年)では誤差みたいなもの…といった感じです。また、築年数が古いと融資が出にくい問題につながります。
都心 VS 都市部 VS 車社会 VS 過疎地
都心ほど資産性が高く、地価上昇も期待でき、人口増加も期待できます。賃貸需要としても心配することはないでしょう。資金調達に問題もありません。ただし、低利回りになります。
一方で過疎地に近づけば近づくほど、高利回りを期待できますが、それだけ価格の下落が大きいため資産性に乏しく、人口も減少、賃貸需要も失敗、さらには資金調達が困難(融資対象地域を外れる)となります。また、駐車場の需要が大きくなります。1世帯1台どころか、一人1台になっていきます。
近隣 VS 遠隔地
自宅から近いと何かあったときに駆けつけられるという安心感があります。一方で、現地に駆けつけたところで大家に出来ることはないとのことで、新幹線や飛行機に乗らないと着かないような遠隔地でも管理会社次第で構わないとする考え方もあります。私的には、入居募集のときだけでも、現地や地元不動産会社とやりとりができるように、新幹線や飛行機を使うような遠方は(物件の規模などによりますが)どうかな〜? と思います。
特殊物件(土地から新築企画・借地・競売・再建築NG・シロアリ・雨漏り・傾き・擁壁・市街化調整区域・シェアハウス・民泊・レンスペ)
いろいろ珍しい手法があります。私も、土地を買って自分でアパートを新築したことがあります。また、再建築NG物件を取得したことがあります。
こうしたことを手掛けている人を見ると「凄い!」となりがちです
その他
- 年代別
- 家族構成(独身・既婚子なし・既婚子あり)
- 相続不動産の有無
- 自宅の有無(無い場合は欲しいのかどうか)
- そもそも不動産に興味がどのくらいあるのか
- 儲かる儲からないのイメージが湧きやすいかどうか
なども関係がありそうです。
従来の物件選び(投資基準)の懸念点
私は「あなたにふさわしい手法」を選でほしいと思います。もし、そうでないものを選んでしまうと後悔するだけでなく、大きな損失を出してしまうことも…それが心配です。
その損失が授業料と言って笑って済ませられる金額ならいいのですが、そうもいかないことも大いにあるわけです。
ぜひ、あなたにふさわしい投資基準を作ってほしいと思います。
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