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ペット飼養状況のアンケートによって、飼い主のマナーを評価する仕組みを持ちましょう。
入居者やペットと面談しても判断できない
ペット共生マンションやペット同居マンション(ペットがいないと入居できない物件)の中には、ペットと飼い主と一緒に大家さんが面談するような入居審査をしているケースがあるようです。
確かに、最終的なトラブルの責任やリスクを負うのは大家さんです。ですが、数十分の面談で何を見抜くのか私にはわかりません。何かヒアリングする項目があらかじめ決まっているのであれば、アンケート方式でいいのではないでしょうか。
そうであれば、わざわざ大家さん・入居希望者さん・管理会社さんの都合を合わせて面談するよりも、入居申込書を記入する段階で、ペットの審査もできるように今回のようなチェックシートに記入してもらうのが効率的です。
チェックシート項目の例
では、ここでチェックシート項目をいくつか紹介します。
例1)ペットの躾教室に参加したことがありますか?
参加したことがあれば一定の躾やマナーを身につけていることが期待できるので安心です。そうでなかったとしても、独学で躾やマナーを身につけていることがありますので、その他の項目と総合的に判断することになります。
例2)現在、ワクチンなどの予防接種は実施されていますか?
予防接種は必須です。予防接種「していない」「わからない」と回答されたら(幼い犬猫は除く)NGとなります。
例3)ペットは完全に室内で飼養していますか?
今は大型犬でも室内飼育が一般的です。「いいえ」や「半分半分」と回答されたらNGとなります。
例4)犬の場合、お散歩のコースは決まっていますか?
散歩コースは決まったコースではなく、そのつど飼い主が決める方が、アルファ症候群(犬が人間より偉いと思ってしまうこと)を回避できるので望ましいと言われています。こちらはその他の項目と総合的に判断することになります。
例5)現在のペットが人に危害や損害を与えたことはありますか?
原則として、危害を与えたことがある場合はNGとなります。致し方ありませんね。
ペット審査は厳しめに見る
ペット共生マンションやペット同居マンションは、ペットの飼育率が高いので、マンションの入居者向けに躾教室を開催するなどの付加サービスを大家さんは主催しやすいので、多少の問題のあるペットでもリカバリできる要素はあります。
ですが、ペット可物件は大型マンションでもなく小規模な一般的なアパートでもペット可とすることで満室経営を実現しようと言うコンセプト。ですので、問題のある(可能性のある)ペットやその入居者希望者を入れるわけにはいきません。
勘違いしないで欲しいのは、そもそも、家賃に見合った住居サービスになっていることが前提条件です。古くてボロいけどペット可にすれば入居者が入るだろう、そういう考えではなく、しっかりした原状回復工事をした上で、それでも空室率20%〜30%の地域でなかなか入居者が決まらないところで、ペット可で満室にする、とお考えくださいね。
空室にお困りならペット可はひとつの解決策。ですが、やはりリスクはありますので、しっかりとリスク管理の準備をしたいもの。具体的には、募集前・募集時・契約時・運営時の準備があります。より詳し内容や事例、書式については、動画セミナーで紹介しています。詳しくはこちらです。