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「中古住宅だから、多少の不具合は仕方ない…」そう思っていませんか?確かに、新築住宅と比べると、中古住宅は経年劣化による不具合が生じやすいのは事実です。しかし、たとえ売主が知らなかったとしても、重大な欠陥(瑕疵)があれば、売主は責任を負う可能性があるのです。今回は、中古住宅における瑕疵担保責任、特に雨漏りを例に、売主の責任範囲や買主が取るべき対策について解説します。
買い主が損をする!?中古住宅の瑕疵リスク
今回の事例では、築19年の木造中古住宅を購入後、台風による雨漏りが発生しました。買主は補修を求めましたが、売主は拒否。裁判の結果、売主は瑕疵を認められ、損害賠償を支払うことになりました。
瑕疵があっても「知らなかった」では済まされない
1.瑕疵担保責任と契約不適合責任
中古住宅の売買では、売主には「瑕疵担保責任」が課せられます。これは、物件に隠れた瑕疵(=契約内容に適合しない状態)があった場合、売主が責任を負うという原則です。民法改正により、瑕疵担保責任は「契約不適合責任」と名称が変わりましたが、基本的な考え方は変わりません。
2.売主の善意・悪意は問われない
売主が瑕疵を知らなかったとしても、責任を負う場合があります。ただし、契約書に「瑕疵担保責任を負わない」という特約がある場合は、その限りではありません。しかし、この特約は無制限に有効なわけではなく、一定の条件を満たす必要があります。
3.買主の自己防衛
中古住宅購入時には、専門家によるインスペクション(建物状況調査)を実施し、瑕疵の有無を事前に確認することが重要です。また、契約書の内容をしっかりと理解し、不明点があれば専門家に相談しましょう。
まとめ|中古住宅購入はリスク管理が重要
中古住宅は、新築住宅に比べて価格が安く、選択肢も豊富である一方、瑕疵のリスクが伴います。購入前に専門家によるインスペクション(建物状況調査)を実施したり、契約内容を精査したりするなど、事前のリスク管理が重要です。
「中古住宅だから仕方ない」と安易に考えず、しっかりと自己防衛を行い、安心して中古住宅を購入しましょう。