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2006年から東京大家塾で毎月研究会を続けている私が、物件が買えない人に共通するパターン3つ解説します。
今回で最後の3つ目。結論はズバリこちら。
有名大家さんの影響を受けすぎている
多くの場合、ある有名大家さんの背景(勤務先・年収・資産規模などの個人属性と不動産投資で何を実現したいのかの目的)が、あなたと全く同じことは、まずありません。特に、目的です。
目的のことは、例として言われることは「旅行とその目的地」です。北海道に温泉旅行した人の話を聞いて同じ北海道に温泉旅行しに行くのはいいのですが、寒いのが苦手で沖縄の海のアクティビティに興味があるのなら北海道旅行の話は参考になりません1。
すぐにFIREするつもりがないのに?
例えば、ある有名大家さんはFIRE(経済的自由を手に入れて会社員を早期退職)を目的として不動産投資を始め、見事FIREしたとします。一方、あなたは「いつかFIREもいいけど今すぐではない」と考えているのなら、有名大家さんのやり方を真似るのはオススメしません。
なぜなら、FIREは利回り重視の物件を選ぶ必要があります。つまり、生活費のためにキャッシュフローが必要ですから、高利回り=インカムゲイン=キャッシュフロー=収益性重視となります。そして、高利回りの物件は、物件価格が安いもの。なぜ安いのか? それは高利回りを実現するのが難しいからです。本当に高利回りを実現させて継続させるには、多くの時間と手間(ノウハウ)が必要です。
あなたに、その時間と手間(ノウハウ)1はあるのでしょうか?
平凡なサラリーマンなのに?
もう1つ事例を紹介します。
ある有名大家さんはサラリーマンのまま次々と物件を買い進め、30億円規模のオーナーです。一方、あなたは年収800万円の一般的なサラリーマン(とは言えサラリーマンとしては成功しているほうです)だとします。そうすると、せいぜい2億円くらいの規模で終わりです。
なにが違うのでしょうか?
そうした大規模サラリーマン大家さんの多くは、(元)超エリート・サラリーマンなのです。有名大学の出身・有名企業に就職、更にMBAホルダーかもしれません。ですので、優秀な管理会社や会計士(税理士)とつながりを持てますし、そうした外注先のマネジメントもできて、銀行が望む決算書も用意できます。
あなたに、そんな素養はありますでしょうか?
武勇伝なんかいらない
何も落胆する必要はありません。そもそも、あなたが望んでいることは何でしょうか?
成功大家さんとしてメディアに出ることでしょうか? 破産寸前から不死鳥のごとく蘇った武勇伝を語れる大家さんになることでしょうか? 違いますよね。
今よりお金の不安がなくなること。そして、大切な家族を守れること。
言葉にすると、ささやか願いです。ですが、今の時代は少し難しいものになりました。
それでも、この難題に立ち向かおうとしているあなたは立派です。
多くの方は(意識しているのかどうかわかりませんが)諦めていることなのではないでしょうか。
生存者バイアス、ご存知ですか?
最後に、生存者バイアスを紹介します。
メディアの中や大家の集まりの中は、どうしても成功した人が目立ちます。一方、多くの失敗して撤退した人たちは、その場所には現れません。
また、お金の不安がなく大切な家族を守れている人は、メディアにも大家の集まりにも出てきません。困っていないからです。また、資産や年収を口に出すこともしません。望まないトラブルが舞い込むからです。
目立つ人たちばかりに注目していると本質を見失います。1
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