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ひょっとしたら地主系大家さん(相続大家さん)は、大家の会の集まりでちょっと嫌な思いをしたことがあるかもしれません。
アクティブ大家さんからのマウント
確かに、不動産が大大大大大好きで、何より不動産に時間を使えて、利回りやキャッシュフローを重視するアクティブ大家さんの苦労話は勉強になります。その一方で、相続税対策のために物件を持っている場合、あるいはそうした物件を相続した場合など、自ら好きで始めたわけではない大家さんは、他に優先して時間を使いたいこともあるでしょう。こうした地主系大家さん(相続大家さん)=パッシブ大家さんは、アクティブ大家さんからマウントを取られることがあるかもしれません。
1. 株式投資にもあるアクティブ投資とパッシブ投資
株式投資の投資手法に、アクティブ投資とパッシブ投資というものがあります(明確な定義はありません)。例えば、短期で売買して差益を取り、今月いくら現金が増えたかを狙うのがアクティブ投資。今月来月・今年来年の現金に困っておらず、長期で含み益が出れば良しとするのがパッシブ投資。前者は作業時間と高度なスキルが必要ですが、後者はそこまでは不要です。大家さんのスタイルにも似たものがありますね。
2. パッシブ大家さんは責められるべきではない
パッシブ大家さん(キャッシュフローより含み益)の多くは、働き盛りだったり、やりがいのある仕事に就いていたり、また家族の時間のやりくりにも苦労していて、不動産について作業時間が取れません。それでも不動産は嫌いではないし、将来は大家業に本格的に取り組みたいと思っているので、少しずつ勉強していきたい。その気持ちは称賛されるべきです。
それをアクティブ大家さんの一部の人たちが非難しているのが散見されます。「もっと時間を使うべきだ」そして「もっと利回りを上げるべきだ」と。でも、そうする時間がないからこそ、何かノウハウがないか、学ぶことがないかと参加しているパッシブ大家さんなのです。先輩大家さんから、こう言われては「自分には無理だ」「自分はダメだ」と萎縮してしまいますよね。
3. 大家さんのスタイルは人それぞれ
アクティブ大家さんは、不動産投資で成功している人が目立ちます。彼らは、不動産投資に多くの時間と労力を費やし、高い利回りを達成しています。その過程で多くの問題に直面し解決してきた道のりが冒険譚になります。一方、パッシブ大家さんは、不動産投資以外にも仕事や家族など、大切にしたいものがたくさんあります。彼らは、不動産投資に多くの時間を割くことはできませんが、それでも将来のために資産形成をしたいと考えています。どちらも素晴らしい考え方であり、どちらが良い悪いではありません。
主催者がアクティブ大家さんとパッシブ大家さんの長所短所を理解してフォローしてくれればいいのですが、そうした大家の会は少ないようです。なぜなら、主催者自身がアクティブ大家さんとして成功していると、パッシブ大家さんのスタイルを受け入れることができない場合があるからです。
まとめ. 大切なのはステージ「今の自分はどちらがふさわしいか」
大切なのは、あなたがどのような大家さんになりたいのかということです。アクティブ大家さんのように、不動産投資に積極的に取り組み、高い利回りを目指したいのであれば、それに必要な時間と労力を費やす必要があります。一方、パッシブ大家さんのように、不動産投資以外にも大切にしたいものがあり、無理なく資産形成をしたいのであれば、それに合った方法を選ぶ必要があります。
どうしても時間が取れないのであれば仕方ありません。パッシブ大家さんとして含み益を狙いに行きましょう。そして、子どもが成長し時間が取れるようになったら、運良く資産形成で大きく成功したりストックオプションでまとまったお金が手に入って早期退職して時間ができたら、あなたらしい不動産事業を模索していきましょう。苦労も失敗も冒険のうちです。
ふさしい道を選びましょう。そんなあなたの選択を尊重し、応援してくれる仲間を見つけましょう。大家の会に参加する際は、自分のスタンスを明確にし、同じような考え方を持つ仲間を見つけるようにしましょう。そうすれば、きっと有意義な時間を過ごすことができますよ。