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売却を検討しようと地元の不動産会社に現地に来てもらったら、擁壁が古いので再建築できないかもしれない・・・ようなことをボソっと言われました。このままリフォームし続けて賃貸し続けるしかないのでしょうか?
そんな、ご相談をいただきました。
擁壁物件は「買ってはいけない不動産ランキング」に必ずランクインしますよね。良くあるランキングの例は、このような感じですね。
- 違法物件(再建築不可・容積率/建ぺい率違反・越境)
- 擁壁・崖地・窪地などの不整形地
- 市街化調整区域(原則として建物を建築できない)
- 事故物件や近隣に嫌悪施設がある
- 雨漏り・シロアリ・傾き(地盤沈下)
なぜ擁壁物件は買っては行きないのか? それは、再建築するときに擁壁を作り直す必要があって、その費用は1,000万円〜と言われています。また、万が一、擁壁が崩壊した場合は死亡事故につながる可能性もあり、そのときの損害賠償責任は億単位〜とも言われます。
こんな話を一度でも聞いたことがあると「擁壁物件はリスクが高いからやめておこう…」ってなりますよね。
私も、そう思っていました。あちゃ〜これはダメだ…と。
ただ、この話、100%ウソではないのですが、100%ホントとも言い切れません。
確かに、一生に一度のマイホームを買うときに、わざわざ「買ってはいけない不動産ランキング」に入るような物件を買うことはありません。
しかし、不動産投資家や大家さん・地主さんとしてなら、検討の余地はあります。
例えば「擁壁物件」と一括りにしないで、もう少し分類しましょう。
私の中では9パターンあります。
すると、このパターンは確かに1,000万円コースだけど、このパターンならそこまで気にするものではない、となります。
また、そもそも「なぜ擁壁を作り直す必要があるのか?」を掘り下げていくと、ある「思い込み」に当たります。
この「思い込み」とは「擁壁で建物を支えている」という考えです。
これも100%思い込みではないのですが100%ホントでもなく「そういう建物もあるけど本来は違う」となります。
詳細は省きますが要するに不動産会社が言う「擁壁物件はリスクが高い」は次の思惑があります。
- そもそもよくわからない
- 面倒そう
- 時間が掛かりそう
- 儲からなそう
- 後でクレームになったら困る
つまり専門知識や経験が不足しています。
ほかにも
- 少し脅して安く買い叩こう
も、あるかもしれません(仲介中心の不動産会社なのか買取転売が中心なのかによるでしょう)。
どちらも「やっぱり不動産会社は怖い!」とか「不動産業界は酷い!」なんて思われるかもしれませんが、どこの業界も(程度の差はあっても)変わらないと思います。
例えば、あなたの仕事(お勤めの会社など)も同じではないでしょうか。完璧な知識や豊富な経験なんて誰も持ち合わせていないものですし「楽して儲けたい」だって同じですよね。もちろん私も、です。
ですので特定少数の業者や専門家の意見を鵜呑みにせず、いろいろな角度から調べたり相談したりするといいですよね。
話を戻すと、そこまでの時間や情熱や予算(相談料など)があるのか・ないのかというと、マイホームを買う人はそこまではないと思います。ただ、投資やビジネスとして捉えるのなら、その程度は持ち合わせていて当然じゃないかな〜と思うのです。
もちろん、あらゆる分野に時間や情熱や予算を投じるわけにはいきません。ですので、何かあなたならではの得意分野や好きな分野の集中できるといいですよね。
あなたの得意分野・好きな分野は何ですか?
参考