不動産会社の営業トーク

不動産投資ルーキー

営業トーク「問い合わせが殺到している」は本当か?

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宅建士/AFP/PMP®など。不動産オーナー向け教育事業、東京大家塾(2006年〜)や不動産実務検定®認定団体J-REC理事・東京第1支部長・認定講師(2008年〜)として累計3万件以上の不動産投資・活用・トラブル相談の経験から失敗しない不動産活用を体系化。Google★4.8/226件〜・Udemy講師★4.18/1,107名〜・ココナラ不動産相談★5.0/136件〜。著書/共著19冊・講演実績全国30団体〜・寄稿/取材協力多数。

会員さんの個別相談は、私も勉強になります(気づきが得られる)。​

今回シェアするのは、良くある営業トークの捉え方です。
良くあるものなので、私は「あーはいはい。ソーナンデスネー(棒読み)」なのですが、会員さんとお話していて、ちょっとそうでもなかったみたいなので、解説します。

挨拶みたいなもの

物件を購入しようと興味を示すと、ほぼほぼ、コレ、言われますよね。
確かに「単なる営業トーク?」とも思いますけれど「もしも本当だったら買えなくなっちゃうかも?」って焦りますよね。
それで、早く決めないといけない? という雰囲気になります。

結論…嘘ではない

要するに「問い合わせ」の定義もあいまい。「殺到」の定義もあいまいなので、どうにでも言えるわけです。もしかしたら、悪意(あなたを焦らせて冷静な判断をさせないようにして契約に漕ぎつけようとする意思)はないかもしれません。
そうすると、このセリフが出てきたら「問い合わせというのは具体的にどのような問い合わせで、普段とはどのくらい多いのですか?」と確認できるといいですね。
ちなみに、嘘が誠になるみたいなことはあります。業者も「なかなか売れないだろ」と思っていた物件がアッサリ売れることは稀にあります。

問い合わせ9つの種類

さて、そもそも問い合わせと言っても、次の全てが問い合わせと言えます。

  1. 販売図面(マイソク)を送ってほしい
  2. 物件確認(まだ申し込み入っていませんか?うちのお客様に案内していいですか?)
  3. 広告掲載してもいいですか?
  4. 詳細資料を一式送ってほしい
  5. 資料のこの部分について詳しく教えてほしい
  6. 現地の敷地内に立ち入りさせてほしい
  7. できたら建物内部を見せてほしい
  8. 具体的な交渉をさせてほしい
  9. 買付を入れたい

ほかにもあると思います。細分化したらキリがありません。

問い合わせしてきた相手の3分類

さらに、問い合わせしてきた相手の種類は大きく次の3つのパターンがあります。

  1. 宅建業者が仲介業務のために
  2. 宅建業者が転売目的(仕入れ)のために
  3. 一般のお客様が保有目的のために

それぞれ意味が違います。
仲介だと、ただ単に自社のデータベースに登録するために、半ば、自動的に問い合わせすることが多いです。具体的に購入検討しているわけではありません。つまり見込度は低いと言えます。
転売だと、その会社が購入を検討するための問い合わせになります。転売はいかに安く買うのかが勝負となりますが、購入の見込度はそれなりにあると言えます。
一般のお客様ですと、やはり購入を検討するためとなりますが、先の業者と異なり購入基準が曖昧な方が多いものです。購入の見込度はいろいろです。

問い合わせ方法の3分類

そして、問い合わせ方法によっても見込度は変ります。私見ですが見込度の高い順に次の通りです。

  1. 直接訪問
  2. 電話
  3. FAX
  4. 自社ホームページから
  5. ポータルサイトから

良くあるパターン

本当に問い合わせが殺到するパターンを紹介します。
これは、レインズ(業者間物件情報ネットワーク)に物件情報を登録したけれど、販売図面(マイソク)を登録しなかったために、販売図面を送ってくれという電話が殺到するものです。
私からすると「え? 何で図面登録しないの?」って話なんですけれど、電話をもらっておくことで後で追客できるメリットも、一応、あります。
そして、このパターンは、何かしら事情があって相場より安い物件が登録されると本当に殺到します。
具体的には例えば1時間に数本の電話が来るみたいなことになります。
これだけ電話が来て、その都度、販売図面などをFAX(業界はまだFAXも)やメールを送っていると、ほかの仕事ができないくらいになります。
そして、その後も物件確認の電話が定期的に来ますので、これまた大変です。
ちなみに、ITに明るい業者だとこのあたりは専門サービス会社に外注したりシステム化したりしています。

問い合わせが殺到してもすぐに売れるとは限らない

ですが、こういう物件が、すぐに売れるのか? は別問題。
前述の通り、こういう物件は、たいてい何かしら事情があるから安いのです。安い理由が分かると「あ〜そりゃそうか〜」となって売れません。例えば、事故物件・再建築不可・擁壁・極端な旗竿地(路地状敷地)などです。
ただ、新規見込客を引っ掛けるのに使えるので、広告掲載の許可を取ったり、まだ残っているのか定期的に確認(物件確認)したり(売れた物件をいつまでも広告していると結構キツイ罰則が待っています)といった電話が、やっぱり来ます。

どこから「殺到」と言えるのか?

殺到の定義もあいまいですよね。
極端な話「いつもは1日1件の問い合わせだけど、この物件を公開してから3件も来る! 」→ 殺到
という意味かもしれません。
いや〜それくらい誤差の範囲じゃない? って思いますけれど。
それでも、本人的には「殺到」なのかもしれません。
嘘、じゃないですよね?(笑)

まとめ「問い合わせが殺到している」と言われたら

  1. 具体的に説明してもらう「どのような問い合わせがどのくらい頻度で普段と比べてどのくらい多いのですか?」 なお、面倒な客と思われることは許容すること。(?)
  2. 聞き流す。単なる挨拶。どんな物件でもすぐ売れるときもあるし、なかなか売れないときもある。気にしない。
  3. 購入基準(投資基準)をしっかり持っておく。その基準に合うのなら他人は関係ない。

ではまた!

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