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近年、国際情勢は緊迫しており、大規模な戦争が勃発する可能性も否定できません。不動産投資家として、万が一の事態に備え、戦争が不動産市場に与える影響を理解しておくことは重要です。
1. 税金・控除
戦争遂行には莫大な資金が必要となり、その負担は国民にのしかかります。過去の例では、高所得者層への増税や、住宅ローン控除などの減税・控除の廃止が行われました。
2. インフレ
戦争による政府支出の増大は、インフレを加速させます。第一次・第二次世界大戦時にも、物価は大幅に上昇しました。不動産投資においては、家賃収入でインフレに対応できるかが鍵となります。
3. 金利
政府は戦時国債の発行などにより資金を調達するため、低金利政策がとられる可能性があります。ただし、インフレと低金利が同時に進行する状況では、実質的な資産価値が目減りするリスクに注意が必要です。
4. 住宅需要
戦争は住宅需要に大きな影響を与えます。若年層が兵役などで住宅市場から離れる一方、経済的な理由から共同生活を選ぶ人が増えるかもしれません。これらの要因は、住宅価格の下落圧力となります。
5. 規制強化
戦時下では、家賃統制や住宅建設の制限など、不動産市場への規制が強化される可能性があります。過去の例では、第二次世界大戦中に家賃統制が行われ、新規住宅建設も凍結されました。
6. 融資・信用
戦争は金融市場にも影響を及ぼし、融資基準が厳格化される可能性があります。また、中央銀行がインフレ抑制のために金利を引き上げれば、借入コストも上昇します。
7. オフィス・小売需要
戦争により経済活動が停滞すれば、オフィスや小売スペースの需要は減少します。特に、若年層が兵役などで労働市場から離れる影響は大きいでしょう。
8. 工業用不動産
軍需産業の発展により、工業用不動産への需要が高まる可能性があります。ただし、政府による物件の使用制限など、リスクも考慮する必要があります。
戦時下の不動産投資戦略
戦争リスクを考慮した不動産投資戦略としては、インフレヘッジとなる金や銀などの貴金属、軍需産業に関連する工業用不動産、低価格帯の賃貸住宅などが考えられます。また、海外への分散投資も有効な手段の一つです。
まとめ
戦争は不動産市場に多大な影響を与える可能性があります。不動産投資家は、これらのリスクを理解し、適切な戦略を立てることが重要です。