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旧耐震基準…1981年(昭和56年)5月31日までの建築確認において適用されていた基準で建築された物件に投資するのはNGでしょうか? 確かに、買ってはいけない物件ランキングの上位に入ることもありますし、耐震基準が古い物件は、地震のリスクを考えると不安ですよね。しかし、私は必ずしもダメとはアドバイスしていないのです。
だれも見向きしない物件こそチャンス!?
多くの人があなたと同じように「旧耐震基準=投資対象外」と考えるため、実は割安で物件を取得できる可能性が高いのです。旧耐震基準だからといって一括りにNGとするのではなく、あなたの投資基準に合うかどうかを検討できるようになることが重要です。ここでは、検討するための3つのポイントを紹介します。
1. マイホーム選びと投資物件選びは異なる
マイホームは安心して長く住むための場所。だから耐震性や最新設備は重要です。しかし、投資物件は収益を生み出すためのもの。入居者が求める条件と、あなたが重視するポイントは必ずしも一致しません。例えば、家賃の安さを求める変わりに築年数や耐震性の優先度を下げる入居希望者はいるはずです。
2. 実は古アパートの耐震性能は高い!?
あなたは古アパートの耐震診断をしたことがありますか? 恐らくないはずです。旧耐震はやめとけ!という人の中に、どのくらいの人が実際に耐震診断をしたことがあるのでしょうか?
私はあります。また、東京大家塾の会員さんに声を掛けていろいろな古アパートで診断してみたことがあります。その結果…半数以上の物件で耐震性に大きな問題はありませんでした。
なぜなら、ワンルームや1Kの間取りは広部屋がなく、小さな部屋ばかりで柱や壁が多いから。耐震性の低い建物の特徴は、広い部屋があり一面に開口部が偏る、いわゆる掃き出し窓の多い伝統的な和風建築なのです。
3. 耐震補強は木造なら150万円程度の予算で十分に可能
耐震診断の結果次第ですが、木造物件なら150万円程度の予算で十分な耐震改修工事が可能です。
工事を行うことで、入居者の安心感も高まり、物件の価値も向上します。融資や補助金の対象範囲も広がります。いろいろな工法が開発されています。ぜひ一度、調べてみてくださいね。
ちなみに、以前、私が採用した工法はDSG倒壊防止システムはこちらです。
まとめ. 旧耐震基準だからといって諦めるのはもったいない
旧耐震基準の物件は、多くの人が敬遠するため、割安で手に入るチャンスがあります。しっかりと物件の状態を見極め、あなたの投資基準に合致するかどうかを判断しましょう。
例えば…
昭和59年(新耐震) 物件価格500万円 家賃5.5万円 表面利回り 13.2%
昭和55年(旧耐震) 物件価格250万円 家賃5.0万円 耐震改修工事費150万円 表面利回り 15.0%
と単純化できたとしたら、旧耐震の物件に投資をするのは悪くはないはずです。
この記事で解説したように、旧耐震基準の物件でも、工夫次第で収益物件として活用できます。ぜひ、あなた自身の投資戦略を立ててみてください。