空室イメージ

空室対策に安易なADの積み上げは要注意!!

不動産業界でADといえば広告宣伝費…、入居者募集の成功報酬のこと。直接、入居者を斡旋した不動産会社が大家さんから受け取ります。英語で広告を意味する advertisement の2文字だと思われます。空室対策にADは効果的なのでしょうか?

ADの積み上げ空室対策に効果的!!

ADを増やすことは、空室対策に直結します。また、ADだと仲介会社の売り上げになりますが、中には営業担当者に直接渡す…つまり裏金を渡すという荒技もあります。結論としては、空室対策に効果はあります。やはり、仲介会社や営業担当者としては、少しでも売り上げを増やしたいからです。

また、大家さんの精神衛生上も好ましいといえます。例えば、ADを1ヶ月分を積み上げした分、1ヶ月早く満室になれば、それだけ気持ちも楽になります。一方でADをケチっていると、空室期間の家賃は入らず、しかもストレスもあります。

下記の例では、2月に退去があった部屋を、ADなしで募集した場合と、AD1ヶ月分として入居募集した場合の比較です。AD1ヶ月分としたことで、1ヶ月早く入居したと仮定すると、ADなしと比べて収支は変わりません。しかし、空室期間が短いことによるストレスの軽減というメリットがあります。そもそもADなしで空室期間がもっと長くなる可能性は大いにあります。

家賃5万円の例 2月 3月 4月 3ヶ月分の収支
ADなし 退去 入居 家賃5万円
ーAD0万円
5万円
AD1ヶ月分 退去 入居 入居 家賃10万円
ーAD5万円
5万円

ADの相場は首都圏なら家賃の1〜2ヶ月分

一都三県あたりは家賃の1ヶ月分が一般的です。北関東あたりだと2ヶ月分のエリアも。また、競争力の劣る物件だったり、家賃が相場よりも高く貸さざるを得ない物件などは、2ヶ月分どころか3ヶ月分というのも。中には6ヶ月分という物件も見たことがあります。もっとも、家賃設定は相場をはるかに超えた物件でした。

地方ではADが3ヶ月分〜6ヶ月分のエリアも!!

大型賃貸物件が集中するような地方都市で、供給過剰なエリアは、時期にもよりますが3ヶ月分〜6ヶ月分なんてところも。物件購入の際にはADの相場を把握して収支シミュレーションしたいものです。

安易なADの積み上げは劇薬と同じ!!

劇薬イメージ

劇薬イメージ

ADの積み上げが空室対策に効果的なら、どんどんやるべきでしょうか? いいえ。安易なADの積み上げは危険です。なぜなら、劇薬のように副作用があるからです。副作用には2種類あります。

まず、1つ目の副作用は、ADの積み上げ合戦となることです。競合物件がAD2ヶ月分なら、ウチは3ヶ月分だ! それならウチは4ヶ月分だ! …と天井知らずとなります。仲介会社にとっては好ましいのですが、大家さんは競合相手ともども経費倒れになりかねません。

2つ目の副作用は、短期で退去されやすいことです。もちろんケースバイケースですが、仲介会社によっては、お客様の希望条件を外しても、無理やりADの多い物件を紹介して、強引に契約することがあります。こうした入居者は、自分の希望条件に合う部屋ではないのですから、長く住むことは期待できません。こうして、ADを積み上げた結果、短期間で入居者が入れ替わると、またしてもADを払うことになりますし、敷金の返還だったり空室のクリーニングだったりと支出が増えます。

礼金を上乗せした分をADに回していいですか?

ちなみに、仲介会社の中には、お部屋探しのお客様の無知をいいことに、例えば礼金ゼロの物件を礼金1ヶ月分だと紹介して、その礼金をADに回させてくれ、といってくることがあります。確かに、大家さんとしては、支出が増えるわけではありませんが、お客様的には後になって「騙された!」と気づくと、その部屋に長く住むことはないかな、と思います。やはり、王道は「お部屋の価値 > 家賃その他条件」となるようにお部屋の価値を高める施策に取り組むことです。

備考)厳密にいえばADは宅建業法違反!?

結局のところADは成功報酬なので、仲介手数料と同じではないか!? と考えることもできます。そうすると、仲介手数料の上限(借主・借主から合計して家賃の1ヶ月分)を超えるので、宅建業法違反であると言えなくもありません。事実、年に数社は宅建業法違反として行政処分を受けている会社があります。そのため、コンプライアンスを重視する仲介会社は、成功報酬ではなく固定費として、広告宣伝費を請求するケースが増えてくると予想できます。

まとめ)ADの相場を把握すべし!! しかし安易な積み上げは注意!!

空室対策上、競合物件と同等のADは必要です。しかし、競合物件に勝つためにADを積み上げることによる副作用を理解しておきたいものです。そのため、期間限定のキャンペーンとすることが1つの妥協策となります。

本質的には「お部屋の価値 > 家賃その他条件」となる部屋づくりをすることです。そして、入居者さんには自分の住まいを気に入ってもらい長く住んでもらうことです。最大の空室対策は退去者を出さないこと、つまり長期入居促進にあります。

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