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1Kや1Rだと、居室にミニキッチン、そして3点ユニットバスと、決まりきった間取りなこともあって、空室対策のしようがないとの声も聞きます。ですが、その考えはもったいないものです。ハードウェア面だけでなく、ソフトウェア面まで考えると、空室対策のアイディアは無限といえるでしょう。ここでは、そんな考え方を紹介します。
ミニキッチンと3点ユニットバスはマイナスをゼロ方向に改善する
まずはやっかいなミニキッチンと3点ユニットバスです。こちらは、新品にしたり、3点ユニットバスを、バス・トイレ別にしたところで大きな効果は得られないことが多いので、居室にチカラを入れることで「3点ユニットだけど、ま、いっか!」と思ってくれる層を狙います。逆に言うと「ゼッタイに3点ユニットバスはヤダ!ありえない!」という層を説得する考えを捨てます。捨ててください。ミニキッチンや3点ユニットバスを具体的に、どのようにするのかは、参考記事をどうぞ。
居室は玄関からミニキッチン・3点ユニットバスを含めたカラーコーディネートを!!
賃貸だから無難な色を選んでいては入居者が決まらない時代に突入しました。入居してほしいのは男性なのか女性なのか。年代はどのくらいなのか。最寄り駅までの移動は何を使うのか。元気のいい人なのかおとなしい人なのか。アウトドア系なのかインドア系なのか。料理は自炊するのかしないのか。よくわからなければ、今まで入居してきた人をリストアップすることです。きっと、偏りがあるはずです。男性が多かったり、20歳代が多かったり力仕事系が多かったり…そこから逆算して、デザインが決まります。
デザイン料は最初だけ、です。2部屋目からは同じようにすればいいので、部屋が空けば空くほど、デザイン料は割安になります。5年間は使いまわしましょう。
消耗品は新品にすること
細かい男だな~と言われそうですが(?)、消耗品は新品にしておきましょう。もちろんPOPによるアピールも忘れずに。例えば、次のようなものです。
- 照明器具(いまどきはLEDなので電気代が安くなることをアピールできます)
- ミニキッチンの照明の蛍光灯
- 同、スイッチの紐
- 居室のスイッチやコンセントのプレート
- 火災警報器
- エアコンのリモコンの電池
ソフトウェアはアイディア次第
以上はハードウェアの面ですが、ソフトウェア面はアイディアは無限大でしょう。思考のヒントをいくつか挙げましょう。
- 内見の滞在時間を長くする
- 住んだときのことをイメージさせる
- 意思決定権者の不安を解消する又は得をさせる
滞在時間を長くする例
1Rや1Kの間取りは、どの物件も替わり映えがしないもの。不動産会社に事務所に戻ってきたり、自宅に戻ってきて冷静にどの部屋にしようかと考えても、どれがどの部屋だったか思い出せない、、、なんてことも。そこで、内見の滞在時間を長くすることで記憶に残る部屋にしようという戦略です。具体的には次のような方法があります。
- 大きな間取図の描かれた用紙とボールペンとメジャーのセットを用意しておくことで冷蔵庫や洗濯機を置き場を測れるようにしておく。
- イスを置いておくことで休憩できるようにしておく。
- アメを置いておくことでなめ終るまで部屋にいるようにしておく。
- スリッパがあるので足が冷えず(冬場の場合)エアコンも効くので寒くないようにしておく。
- うまい棒食べ放題にしておく。さらに入居すると「うまい棒1年分プレゼント」」とする。
- 近隣のおいしいお店の情報のパネルを作成して壁に貼っておく。
ポイントは繰り返しますが、滞在時間の長期化です。分譲マンションのモデルルームなどを研究材料にしたいものです。
住んだときのことをイメージさせる
これはやはりステージング(モデルルーム化)でしょう。専門家に頼むのでもいいですし、ニトリの展示品一式を買って、同じように配置してもいいでしょう。下手にオリジナリティをだそうとせずに、真似ることです。ニトリの場合は、真似ることでお店の方も喜んでくれますよ!(?)
後は日用品の買い物マップだったり、駅などの主要な交通手段の時間だったり、時刻表だったりを掲示してもいいですね。
意思決定権者の不安を解消する又は得をさせる
学生の場合だと、意思決定者は本人より親御さんのこともあるでしょう。となると、セキュリティ面だったり、経済面だったり、きちんと勉強してくれるのかだったりが心配になるかと思われます。このあたりをしっかり説明してあげられるといいかと思います。
こうしたポイントで物件単体だけでなく、地域的な面も含めて考えると、物件の特長が出てくるのではないでしょうか。それらをPOPでうまく表現したり、パンフレットを作成したり、スマホ対応の物件ホームページを作成したりしてアピールできるといいですね。
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